21世紀へのがん看護の展望
第14回日本がん看護学会学術集会
2000年2月11〜12日,大阪府大阪市・大阪国際交流センターにおいて,第14回日本がん看護学会学術集会が「がん看護−2000年の幕あけ」をメインテーマに開催された。20世紀と21世紀の境の年にふさわしく,参加者(1,200余名)も演題数(122題)も過去最高。両日とも会場の熱気に相応してか,冬のさなかにしては暖かい日和に恵まれた。
開催に先立って,今学術集会会長・向島令子氏(大阪府立成人病センター看護部長)がミレニアムの年に開催されたのを機に,今世紀のがん医療・看護の変化と,社会の要請・国民の意識の変革に応える研究成果を討議する学術集会にしたいと抱負を語った。
続いての基調講演は「21世紀におけるがん看護の役割と責務」と題して小島操子氏(大阪府立看護大学)が20世紀に行なってきたことを振り返るところから,新しい世紀に向けての役割と責務を展望した。そして文部省21世紀医療・医学懇談会の提言をもとに〈「100年生きる地球人」のがん医療へ,患者の立場に立ったがん医療,技術と生命の尊厳が調和したがん医療〉を念頭に,がんの予防と早期発見,Evidenceに基づいた活動が,がん看護の役割と責務として重要であることを主張された。
なかでも科学の世紀から心の世紀に向けて,今後,がんと共に生きる人々への教育的・情緒的サポートの必要性,代替・相補療法の選択・臨床試験の役割の重要性など,患者の立場で看護が負う役割の拡大と,それにともなう知識・情報・技術・姿勢・態度など専門学術集会にふさわしい示唆に富む内容であった。
また,教育講演では柏木哲夫氏(大阪大学人間科学部)が,看護者がケアの中心となる「緩和医療とは」について,ホスピス運動の流れから,今や緩和医療はがん医療のあらゆる過程に適用される積極的ケアであることが述べられた。
集会2日目に行なわれたシンポジウムは「21世紀のがん医療」と題してがんの治療・予防・患者の権利・看護のそれぞれの立場から提言がされた。
122題という一般演題も,がんの教育研究・治療にともなう看護・患者の心のケア・インフォームドコンセント,そしてQOLとがん看護の今日的課題と未来への展望を示唆する中身の濃い発表が多く,活発な討議が展開された。
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