看護の原点をみつめ今世紀の方向を探る
第27回日本看護研究学会学術集会

 7月27〜28日,金沢市・金沢市観光会館をメイン会場に第27回日本看護研究学会学術集会が泉キヨ子会長(金沢大学医学部保健学科)のもと開催された。
 今世紀最初の当学術集会にふさわしく「新しい時代が問う看護研究の方向」をメインテーマに,会長講演「人間の持てる力を引き出すリハビリテーション看護学の追求」,川島みどり氏(健和会臨床看護学研究所)による特別講演「看護学の到達点と新世紀の課題―看護技術論の立場から」,米国のナースプラクティショナーで,ワシントン大学大学院臨床教員でもある田中勝子氏の招聘講演「臨床現場に活かせる看護研究」,牧本清子氏(大阪大学医学部保健学科)の教育講演「新しい時代における看護研究の方略―日米の看護研究比較をとおして」を柱に,シンポジウム「看護現象の着眼と研究の方法―質的研究を中心に」「看護におけるエビデンス」とワークショップ「ITが看護実践および看護研究に及ぼす影響」「実践と研究における看護倫理」が行なわれた。
 一般演題は口演177題,ポスターセッション130題が発表され,様々な角度から研究の成果が披露された。

 泉氏は高齢化や医療技術の発展により,医療・保健・福祉の面からリハビリテーションに対する関心が高まっている。
 そこにおける専門職者としての看護の力量を発揮するためのリハビリテーション看護学とは何かを,自らの研究を通して話された。

 川島氏は半世紀にわたる看護の歴史的流れを背景に,自身が看護婦として歩んできた過程から学んだ事象を重ねて看護学構築への道を探った。
 なかでも経験の蓄積を抜きにした看護学はあり得ないという認識から,経験の質の重要性と実践の基礎となる看護哲学の大切さを臨床の場で得た経験知と,現在取り組んでいる「看護音楽療法」の研究的実践例を通してこれからの課題を示唆された。

 シンポジウムT「看護現象の着眼と研究の方法―質的研究を中心に」では4人の演者から「看護現象の着眼・方法の選択・成果の還元・研究の基盤の可能性」など,質的研究のプロセスが提起され,活発なフロアディスカッションが展開された。