看護職の役割を改めて問う
第29回日本看護研究学会学術集会
2003年7月24〜25日,大阪国際会議場にて,第29回日本看護研究学会学術集会が開催された(会長:早川和生・大阪大学大学院)。
1,600名を越える参加者が集った。
「看護イノベーション−激動する社会を創造的に生きる」のテーマのもと,会長講演「ヒューマンポテンシャルへの畏敬」をはじめ,鼎談「医療過誤とリスク・マネジメント:看護職の責務」,シンポジウム「未来を見つめるナーシング・アカデミー
21世紀ストラテジー」や,実演を通して学ぶ4題の「実演交流会」ほか,多彩な切り口で変革期にある看護の役割,課題について検討された。
パネルディスカッション「看護職の機能拡大は飛躍の起爆剤か,パンドラの箱か」では,看護管理者,専門看護師,在宅看護,日本看護協会,看護基礎教育の各立場で看護の機能拡大をどうとらえるか,また看護のありかた,方向性などが討議された。
背景には専門・認定看護師などにみる看護の専門化,厚生労働省の「看護師等による静脈注射の実施について」の通知など“看護の機能拡大”と考えられる動きがある。
看護管理者の立場から発言した佐山静恵氏(獨協医科大学病院)は,機能拡大の背景に,インフォームドコンセントなど“患者中心”の意識の強化,医療事故対策やチーム医療における看護職の影響力の拡大があるという。
そして臨床現場での看護の機能拡大として専門性を高め,地域・社会へ貢献することなどをあげ,佐山氏の所属する施設の看護職が専門性を高めるために取得している資格(呼吸療法認定士,日本糖尿病療養指導士など)取得状況を紹介した。
一方で,看護職の機能拡大がパンドラの箱を開けることになる可能性として,機能拡大が看護職にとって重荷となったり,安全対策が手薄になること,拡大した看護の機能が一人歩きすること(チーム医療などで,多くの職種がかかわることで防げるミスがあることから)などを示した。
一般演題は,健康増進予防,生理機能看護,感染予防などの113群,350題あまりの発表があった。
次回は,2004年7月29日(木)・30日(金),竹尾惠子会長(国立看護大学校)のもと,埼玉県・大宮ソニックシティにて開催される予定。
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