政策決定へ看護の力を高める
第7回日本看護管理学会年次大会
2003年8月22〜23日,神奈川県・パシフィコ横浜において第7回日本看護管理学会年次大会が開かれた。参加者は約1,500人。メインテーマは「看護政策決定過程とパワーダイナミクス−看護職のもてる力を高める」。
久常節子氏(慶應義塾大学看護医療学部)は大会長講演で,100床あたり看護師数のアメリカ,イギリス,ドイツとの比較をあげる他,日本医師会との関係など,日本の看護の現状がいかに遅れているかを例証し,看護師として政策へ関心を向ける必要性が語られた。
シンポジウム「看護政策を成功に導く戦略(ストラテジー)」では,井部俊子氏(聖路加看護大学)が,平成12年の医療審議会に出席した経験を語った。
そこでの井部氏は副院長の立場で識者としての意見を求められたのであり,看護の立場から発言をする出席者がひとりもいなかった。
また看護師配置基準「4:1」を「3:1」に,とマスコミにも取り上げられたが,そこでの日本医師会とのやりとりのようすが述べられた。
他のシンポジスト,飯野奈津子氏(NHK解説委員),金子郁容氏(慶應義塾大学大学院)からは,看護がその主張を政策に反映させるためのマスコミの利用法などが語られた。
「インフォメーションエクスチェンジ」として日本看護連盟のプレゼンテーションも行なわれ,選挙にいかない若い層を対象に,看護職の政策・政治への意識向上を目的にしたホームページ開設の紹介と意見交換がされた。同連盟が学術集会で発表するのは,はじめてだという。
「看護界は政治力をもつことができるか」をテーマにしたディベートが開かれる一方で,講談師の一龍斎貞花氏が政策決定に弱い看護への苦言を呈するなど,多彩な内容だった。
一般演題ではリスクマネジメント,キャリア開発,教育など管理的なものも多く見られたが,従来の「管理」的視点から「政策」的視点への同学会のシフトが印象的な年次大会となった。
第8回年次大会は,中西睦子大会長(国際医療福祉大学保健学部)で,2004年8月20〜21日,栃木県総合文化センターで開かれる予定である。
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