地域看護の新たな展開
第34回日本看護学会―地域看護
2003年10月23〜24日,岩手県民会館・岩手県公会堂(岩手県盛岡市)を会場に第34回日本看護学会−地域看護(村田千代専門領域別学会長)が開かれた。参加者は約1,500人。学会のテーマは「健やかな社会を拓く地域看護」。
「素心知困」をテーマに西澤潤一氏(岩手県立大学学長)が特別講演を行なった。西澤氏は光通信の世界的権威者。講演のテーマは岩手県立大学の教育方針としても掲げているもので,自分の気持をすなおに見なおし自分がすることを知り,それを可能とする自分の技術の不十分さを知ることだという。アメリカのコピーからはじまった戦後日本の技術の発達過程をたどりながら,自分たちでつくったもので世界に出ていかなければならないと熱く語った。
シンポジウム「地域住民とともに創る看護−今 地域住民が看護職に望むこと」では,在宅介護サービスに支えられた経験のある主婦の立場や,夫を癌で亡くし,今大学で社会福祉を学んでいる学生の立場や,子育て支援のサークル活動をしている立場などから,医療・看護への思いが語られた。
また行政の立場からは熊坂義裕氏(宮古市長)が介護保険に移行しない健康づくりをすすめてきた経過を語った。保健師の大幅な増員や,ほとんどの薬局に「まちかど相談室」を設置するなど,福祉は道路をつくるのと同じ経済効果があると語る。
また主婦の能登泰子氏が「看護師さんのひとことで支えられる」と看護師の言葉かけの重要性をくり返し強調されていたのが印象的だった。
一般演題では「まちの保健室」に関するものが5題あり,地域看護における新たな活動拠点が育ってきていると同時に,そこでの相談内容から地域におけるニーズの掘り起こしと把握がすすんでいることが発表された。
また病院を背景とした発表では退院調整に関するものに,退院調整する看護師の役割や資格など,会場から多くの質問が出されていた。 |