音楽と人との出会いが創る看護の未来
健和会臨床看護学研究所
開設20周年記念・第7回臨床看護学セミナー



 2003年11月15日,健和会臨床看護学研究所20周年記念・臨床看護学セミナーが日本赤十字看護大学講堂で150余名の参加を得て開催された。

 当研究所は,1984年,地域医療活動を精力的に展開している「健和会」の看護師卒後教育から出発し,公開の卒後研修システムをもち,現場の実践に根ざした研究を行なう看護学研究所を作りたいという構想が実現し,翌1985年より全国から研修生を募り,出発した日本唯一の民間による看護学の研究所である。

 働きながら学んだ研修生は227名。その研究所の20周年を記念したセミナーは,歴史の節目を感じさせる新しい看護の領域を提示された。

 卒後研修と共に長年培ってきた業績は数多くあるが,今回は研究所独自で開発した看護音楽療法を中心に「看護を究める・創る・拓く−音と技が織りなすケア」をテーマに開催された。

 開会は,川島みどり氏(健和会臨床看護学研究所所長・日本赤十字看護大学教授)による「実践・創造・普及に向かって20年−小さな研究所の大きな夢」と題し,研究所の成り立ちの背景から現在に至った歩みと,新たな課題として経験知に潜むエビデンスの掘り起こしと探索研究への可能性が話された。

 続いて主任研究員:平松則子氏による「事例集積−系統的な事例検討から経験知を究める」として,研究所の新たな事業として取り組んみはじめた「看護実践事例集積センター」の構想が語られた。

 最後にシンポジウム「看護音楽療法−音と技が織りなすケア」が東郷美香子(健和会柳原病院教育担当婦長)・梶ひとみ(ピアニスト・看護音楽療法ピアニスト)・佐藤邦男(元東京都立養護学校校長)・David Howland(ハープ演奏家・アメリカ音楽療法士)という多彩な4人の演者によって,他領域との共同による新たなコミュニケーションあり方が披露された。

 会場にはピアノやハープの音色がしみわたり,演者も参加者もしばし看護の癒しを堪能したひとときであった。