いきいき人生−人間の尊厳を支えるケアを再考する−第35回日本看護学会−成人看護U

 8月26日・27日の両日にわたり,佐賀市文化会館で第35回日本看護学会成人看護U(廣重 都専門領域別学会長)が開催された。参加者は1,800名にも及んだ。

 対象者の権利や尊厳を守り,質の高い看護を提供することが求められている現在,看護倫理についてしっかり考える時期にきているということを受けてシンポジウム「看護実践の中での看護倫理を考える」が企画された(コーディネーター・井上範江氏)。

 小西恵美子氏(長野県看護大学教授)は基礎看護教育の立場から,プロフェッショナルとしての倫理的行動につて言及された。松本美佐子氏(佐賀県立病院好生館緩和ケア病棟看護師長)は臨床現場の立場から,生命の長さとセデーションのあり方,終末期における補液,生命の安全性とQOLのどちらが守られべきかなど,さまざまな倫理的側面に直面することが多く,日々「看護倫理とは何か」を問い続けながらケアを行なっていると述べた。

 リスクマネジメントの立場から,福留はるみ氏(神奈川県看護協会医療安全対策推進班)は,「安全が脅かされる状況下で倫理的ジレンマにどう向き合うか」と題し,現状の医療現場の問題を抽出し,課題を整理しながら,患者の安全確保と看護職の倫理的責任について触れられた。

 辻本好子氏(NPO 法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)は,患者,家族の立場から患者たちが“いま医療に望むこと”を中心に話され,看護職に熱いメッセージを贈った。

 発表演題(示説)も221題に上り盛会裏に終わった。