産む力 生まれる力 生きる力―ささえよう愛と技で―
第37回日本看護学会―母性看護―

 7月24〜25日,神奈川県・パシフィコ横浜において第37回日本看護学会−母性看護(学術集会会長・島袋香子)が800余名の参加を得て開催された。

 近年,産科医師不足が社会問題化され妊娠・出産・育児など母性看護領域は新たな対応が迫られ,看護職への期待も高まっている折,「産む力 生まれる力 生きる力−ささえよう愛と技で−」を学会テーマに特別講演,教育講演,シンポジウム,口演・示説・交流セッション(122題)などのプログラムが用意されていた。

 初日の特別講演は井上果子氏(横浜国立大学教育人間科学部教授)が「母性における世代間伝達の光と影」をテーマに,心理学の立場から“子どもという理解の歴史”を紹介しながら,子どもの理解が生育に大きな影響を与えること,また母親の養育体験が我が子との関係で繰り返されることなど,世代間伝達を知ることが親と子の関係性を知ることに繋がることなど話された。

 一般演題でも出産・育児に不安を抱える母親が多くなっている臨床の場で,同世代の看護師とのメール交換で出産に関連する不安の軽減を図った取り組みや,きめ細かな日常生活の援助を工夫し妊婦の心身の安寧を図るなど,妊娠・出産・育児にまつわる看護職の役割の多様性を感じさせる演題が発表された。

 少子化の時代,いかに安心・安全に「産む力 生まれる力 生きる力」をささえる活動をしていくのかを考えさせられる示唆に富んだ学会であった。