看護婦養成制度統合に向け,総会決議を採択
平成10年度日本看護協会通常総会

 5月20,21の両日,平成10年度日本看護協会通常総会が,国立代々木競技場第一体育館(東京都渋谷区)で開催された。昨年同様,全国職能別集会は通常総会終了後の22日に都内3会場に分かれて行なわれた。

 通常総会には6,000名を超す参加者が集まり,任期満了にともなう役員改選とともに,提出された5議案を審議・承認した。また,准看護婦制度問題に関しては,看護婦養成制度を2001年までに統合すべく決議案を提案,承認のうえ,厚生省に陳情団を送った。
 会場の審議の経過はインターネットの日本看護協会ホームページ上で逐次紹介されるなど,広報活動の新たな試みもみられた。

 第一号議案「名誉会員の推薦」では,小林富美栄氏はじめ11名が新たに名誉会員に推挙,承認されたほか,提出5議案は,すべて承認された。
 第三号議案「看護制度改正推進について」では,@看護婦養成制度の統合を実現するための活動,A看護基礎教育の大学化の促進,B保健婦助産婦看護婦法改正に向けての3点をあげ,それぞれについて重点活動項目を示した。
 特に@については,1996年12月の厚生省「准看護婦問題調査検討委員会報告」において,関係者合意のもとに「21世紀初頭の早い段階を目途に,看護婦養成制度の統合に努めること」を提言,同報告書に基づき「准看護婦の移行教育に関する検討会」「准看護婦の資質向上に関する検討会」が今年3月に発足した。しかし,准看護婦養成停止という前提が明確にされていないことから,「21世紀初頭の早い段階に看護婦養成制度を統合するため,准看護婦養成停止の時期を明確にし,統合にむけた施策を強力に推進すること」を決議し,厚生省に陳情した。

 任期満了にともなう役員改選では,千田徳子(第一副会長),渡辺尚子(助産婦職能理事),高嶋妙子(看護婦(士)職能理事),菊池令子(常任理事),南裕子(監事),矢内満子(監事)の各氏はじめ,各地区理事などが選任された。

 看護婦養成制度の統合に向けた取り組みに期待が高まる一方,介護保険,診療報酬改定など,患者の療養環境に直結する看護を取り巻く状況が変化している。こうしたなか,参加者からは「昨年秋以来,救急患者の受け入れ件数が増加した。患者が,ぎりぎりまで病院にかかることをがまんしているのではないだろうか。協会として,診療報酬の検討,提言の視点には,ぜひ,こうした患者の気持を取り上げてほしい」「小児慢性疾患患者の医療費自己負担増を改善するために働きかけることが必要ではないか」など,さまざまな課題解決に向けて,看護職能団体である同協会が,よりリーダーシップを発揮することを期待する声が強かった。
 また,国公立病院を中心に導入されている二交替勤務については,賛否それぞれの意見が示された。現状の人員・制度のなかで,看護婦が,いかに患者の24時間の療養生活の安全と安楽を保証できるかを根底に考えると,交替勤務のありかたは,一概によい・悪いでは割り切れない課題であるように感じた。
 なお,来年度の通常総会は,神奈川県横浜市で開催される予定である。