看護教育学研究の継続を新たに
日本看護教育学学会第8回学術集会

 1998年8月20日,幕張メッセ国際会議場国際会議室(千葉県千葉市)において日本看護教育学学会第8回学術集会(定廣和香子会長)が開催された。参加人数は約400名。

 会長講演で定廣氏は,昨年,同学会の創設者である杉森みど里氏(千葉大学看護学部)が理事長を退き,学会としての転機を迎えたと語った。昨年から学会長は博士課程修了生が就任するなど,次世代の研究者を育てる意思が強く伝わるのも,その現われだろう。
 メインテーマは「看護教育学0からの出発と継続」。学術集会全体を通して看護教育学の体系化の経緯を見なおし,今後の発展につなげようというもの。

 杉森みど里氏の基調講演では,看護教育学の体系化にいたる過程が語られた。わが国唯一の看護教育学講座における研究をすすめてきた杉森氏の研究の過程は,そのままわが国における看護教育学の発達史でもあるだろう。
 杉森氏が1964年に受講した看護教育指導者講習会が,義務教育を受ける子どもたちに関する教育内容であったなど,わが国における教育学の遅れに驚いたエピソードからも,その後の看護教育学の体系化にいたる過程の困難さがしのばれた。また教育の専門家としてではなく,看護婦として教育に携わったという立場を看護教育学の第一人者である杉森氏が強調されたのも印象に残った(この基調講演の全容は「看護実践の科学」1999年1月号で紹介される予定である)。

 また「看護教育学研究継続に向けての生涯と克服」と題されたシンポジウムでは,4人のシンポジストそれぞれが「看護教育学」にかかわった研究者として成果を述べるとともに,そこにあった困難な面をも語り,研究継続の決意を新たにした。他に特別講演1題,一般演題3題があった。