21世紀のがん看護を展望
第13回日本がん看護学会学術集会
1999年2月27〜28日,東京都北区の北トピアにおいて第13回日本がん看護学会学術集会が江向洋子会長(国立がんセンター東病院)のもと開催された。メインテーマは「がん看護−21世紀への躍動」。約1,000人の参加者があった。
基調講演「21世紀へ前進するがん看護の課題」では,同学会理事長でもある佐藤禮子氏(千葉大学看護学部)が,がん看護の進展過程から今後のありかたを俯瞰した。
そのなかで佐藤氏は「21世紀に向けたがん看護の課題」として,@「がん予防」と「早期発見」の啓蒙・実践への参入の強化,A「がん」と「がん看護」に関わるがん看護情報の積極的開示とネットワークづくり,Bがんと共に生きる人の「強靭さ」の育成とサポート体制の組織化,C「がん治療」と「がん療養」に対するがん患者の自己決定への意識改革と自己決定後のサポートの強化,D患者の利益の代弁と権利擁護,Eがん患者の家族に対する看護介入の強化,F在宅がん患者ケアの質の向上,G家族と共に生活するがん患者の療養生活の全体性を俯瞰する看護の強力な実施,をあげた。
シンポジウム「外来化学療法患者の生活を支える」では,在院日数の短縮のなかで,通院しながら化学療法を受ける患者が増えていることを受けて,外来での化学療法の環境をどう整えていくのか,またそれが患者のQOLにつながるのかが,経済面も含めて話し合われた。特に入院か,通院かの選択が,患者の意思を尊重された形でなされるか,どうかが,患者のQOLに大きな影響を及ぼすことが明らかにされた。
他に,がん患者が抱える問題を,社会的問題,経済的な問題,日常生活の問題と3方向から明らかにするフォーカスセッション「社会の中でがん患者が直面する問題」と,一般演題45題があった。
また,サテライト講演会として,「外来で癌化学療法を受ける患者と家族のエンパワーメント」をテーマにJanice
Post-White氏(ミネソタ大学看護学部)が,がん看護における「患者とその家族が現在もちうる力を高め,必要なときに必要な資源や支援を提供すること」であるエンパワーメントのありかたを,白血病を患った家族をもつ体験を含めて語られた。
なお,第14回日本がん看護学会学術集会は,2000年2月12〜13日に向島伶子会長(大阪府立成人病センター)のもとに開かれる。また,学術集会と同時に開かれた平成10年度日本がん看護学会総会で,2001年の第15回学術集会の会長に古庄冨美子氏(北里大学病院)が承認された。また,2002年には国際がん看護学術集会が日本で開催される。
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