看護診断・介入・成果の連携の方向性を示唆
第5回日本看護診断学会学術大会
1999年7月17〜18日,横浜市・パシフィコ横浜において,第5回日本看護診断学会学術大会(藤村龍子会長)が開かれた。同学会は1991年に日本看護診断研究会として発足。1995年に学会へ移行し,看護診断に関する啓蒙と研究などを行なってきた。
今回のメインテーマは「21世紀の新しい看護の挑戦"看護診断−介入−成果のリンケージ"」で,全国からおよそ3,000名の参加があった。
初日には,会長講演が「実践を方向づける看護診断−看護診断−看護介入−看護成果のリンケージによって」をテーマに行なわれた。藤村氏は日本での看護診断の状況を"看護診断用語・概念の難解さと理解不足""看護診断用語・看護診断指標にみる異文化に対する反応""翻訳用語に対する反応""実践上,活用できるか否か""全人的・全体的な存在として捉える指標となっているか""看護診断−看護介入−看護成果のリンケージの希薄さ"などをあげながら振り返った。
また,1998年の北米看護診断協会(NANDA)25周年記念カンファレンスに出席した際,"看護診断−看護介入−看護の成果のリンケージ"をシステム化することの切実性を実感したといい,NANDA‐NIC(Nursing
Intervention Classification)−NOC(Nursing Outcome Classification)カンファレンスでの動きなどに触れながら,今後の方向性について語った。
また,今回は第5回という節目にあたり,マージョリー・ゴードン氏(ボストンカレッジ名誉教授)による招聘講演がもたれた。1日目は「看護診断学の展望−世界の動き」,2日目は「看護診断学の展望−NANDA
DRCの活動」をテーマに,NANDA25周年大会のようすや,欧州,アジア他,世界の看護診断に関する動き・展望,NANDA
DRC(北米看護診断協会診断審査委員会)の活動などについて語られた。
また,1日目のフォーラム「日本看護診断の行方と提言」では,同会理事長と,3つの委員会の委員長の立場から,学会の役割,今後の活動についてなどの発言がなされた。
司会は青木康子氏(桐生短期大学),パネリストは松木光子(理事長,日本赤十字北海道看護大学),野島良子(看護診断用語検討委員長,広島大学医学部保健学科)ほかの計4名。
なかで松木氏は,すでに北米ではNANDAの診断カテゴリー,NIC,NOCがリンクしての活用がすすめられていること,またICN(国際看護婦協会)がNANDA第19回大会の決議を受け,1990年より看護診断・介入・成果を含む看護実践国際分類(ICNP)のプロジェクトを開始し,1997年にアルファバージョンが完成。今年7月にはベータ1バージョンがつくられ,インターネット上(http://www.icn.ch/)で公開されていること,ICNPでは,"看護診断"でなく"看護現象"という言葉が用いられていることなどを紹介。
国際交流が盛んな今日の現状から,看護の国際用語が使用されるようになると考えられ,今後ICNのICNPが国際用語として登録される可能性が高いと予測される。このことを受けて,日本でも同学会は日本看護協会と連携しながら,国際機関の活動に参与する必要性があることを述べた。
その他,事例セッション,教育講演,ワークショップ,シンポジウムや,一般演題14題,ポスターセッション23題の発表が行なわれ,盛りだくさんの内容であった。
なお,次回は「高齢社会でHUBとしてはたらく看護診断」をメインテーマに,2000年6月17〜18日,滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールにて,筒井裕子大会長(滋賀医科大学医学部保健学科)のもと,開催される予定である。
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