2019年2月号掲載
物見遊山のフラヌール または聴かずに死ねるかクラシック その12
中木 高夫 看護ウォッチャー 
パリ①

夏目漱石,永井荷風,ヘミングウェイ,数多の小説家がその日々を書き留めてしまう芸術の都・パリ。Dr.NAKAKIのパリ日記のはじまりです。


11月22日(水)
 9時半頃に娘の家を出発。ハイデルベルク中央駅に早く着いたので,予定より早いSバーン(都市高速鉄道,この線はライン=ネッカーSバーン)でカールスルーエへ。スタバでコーヒーを飲んで,発車時刻の10分前に6番ホームへ(写真1)。もうかなりお客さんが集まっていました。
 パリ行きはICE9574の23号車! どんなに長い列車かと思ったら5両連結くらい。面白い番号のつけ方です(写真1)
写真1 ICE
 途中の列車の外の景色はほとんど田園風景。ドイツもフランスも農業国かなと思います。音楽を聴きながら本を読んでいたら眠ってしまいました。気がついたらパリ東駅(Paris Est)に着く寸前でした。
 パリ東駅からは地下鉄。キップは統一料金。英語モードがあるのでラクチン。でも,自販機のお金を入れるところがわかりません。後ろの若い女性が教えてくれました。少し離れた場所だったのです。
 降りるのは「パレ・ロワイヤル/ルーブル美術館」前。パリ東駅からすぐです。
 ともかく地上へ。地上はパリの風景! キレイ! パリや! ウキウキ! パレ・ロワイヤルの近所の地上出口でした。
写真2 ノルマンディホテル
 だいたい地図が頭に入っていたのとオペラ座が正面に見えたので,その反対方向に歩いて行ったらノルマンディ・ホテル(写真2)。古いホテルですが,立地条件と見つけやすさで決めました。チェックインもスムーズ。部屋はシングルルーム。簡素。水道の蛇口を見たら,メッキがはげていて,古いホテルだとわかります。でも,いい感じ。

* * *

 荷物を置いてすぐに外に出て,ツーリスト案内所へ。予約しておいた「パリ・パスリブ」というチケットを受け取りに。このあたりは『地球の歩き方』のおすすめ。
 そのあと,あたりを散策。裏町は日本料理屋がいっぱい。もちろん,もちろんフランス料理のビストロも。表通り(オペラ座通り)は表参道を落ち着かした感じ。16時頃ですがお昼がまだだったのでラーメン屋「なりたけ」へ。チャーシュー麺と餃子とビール。おなかいっぱい。久しぶりのラーメンはおいしかった。全部日本語で話しました。きれいなフランスのオネエサンが日本語で!
 
写真3 パリオペラ座ガルニエ
 すぐ近所で手袋を購入。パリは暖かいけど,ハイデルベルクは寒いから。また,ブラブラ。ともかくオペラ座前へ。パリオペラ座(Opere de Paris)は2か所あります。1つは目の前にあるオペラ・ガルニエ。ガルニエ宮と書いている本もあります。豪華な外観できれいやねえ!(写真3)
 明後日のモンサンミッシェル1日観光ツアーのバスの待ち合わせ場所,オペラ座裏のデパート「ラ・ファイエット」の本館前をチェック。
 お菓子屋さんやらチョコレート屋さんをのぞいて,ウインドウショッピングをしながらホテルの近所へ。ホテルのはす向かいが食料品店スーパーFranprix。ワインとペリエとおつまみを買ってホテルへ。おなかがいっぱいなのでパリのビストロはパス。
 明日はオルケストル・ド・パリ(パリ弦楽団)のコンサート。ビストロへは昼ごはんとコンサート後に行くつもり。
 YouTubeでララ・ファビアンのLIVE録画を聴きながら寝てしまいました(「Lara Fabian-En Toute Intimite[Bonus DVD+Full concert]1080p60 HD Hi-Fi」)。やっぱりフランス語やないとね。ララ・ファビアンは声量があって,色っぽくって好きやわ。

11月23日(木)
 パリ2日目。今朝は寝過ごしました。
 起きたら9時半! 朝ごはんの時間を過ぎてしまっていました。今日の昼間は市内観光バスにあてています。バス乗り場がなかなかわからなかったけど,探してやっと乗れました。観光バスは予約チケットを買わなければよかった。
写真4 リシュリュー図書館
 バス乗り場まで行く際に裏町を歩いていたら,「リシュリュー」という名前の図書館がありました。ポンピドゥセンターの新しい国立図書館ができる前にあった国立図書館です。重厚で立派な図書館です。図書館はこれでないとね(写真4)。誰でも入れるのですが,手荷物チェックがありました。パリはテロの街ですから。その前にパレ・ロワイヤルに行ったので,東のほうにずれていたのですね。パレ・ロワイヤルももとはリシュリューの館やったそうです。なんか三銃士に出てきそうな。
 で,オペラ座付近まで歩き,バスに乗りました。イヤホンを日本語に設定して,説明を聞きながら,地図を見ていました。バスに乗ったのは土地勘をつけるためです。これならノルマンディ・ホテルからだいたい歩けるなと,あたりをつけて安心しました。

* * *

 20時半からフィルハーモニー・ド・パリ(演奏会場全体の名前)のグランド・サル・ピエール・ブーレーズ(サルはホールのフランス語。去年亡くなった有名な音楽家の名前がついている)でオーケストル・ド・パリの演奏です。指揮はフランツ・ウエルザー=メスト(オーストリア)でメシアンの「アセンシオン」とブルックナーの「第9交響曲」です。
 演奏会場へ行く地下鉄の方向を間違えました。次の駅が違う名前(ほんとうなら「ピラミッド」)なので,すぐに気がついて反対車線に乗り換えました。「スターリングラード」(第2次世界大戦のスターリングラード攻防戦で勝った記念の名称。本家の都市名がボルゴグラードに変わったのにいまだにこの名前)では,しっかりと壁に書いてある駅順を確かめたので間違えることはありませんでした。
 会場の最寄り駅は「パルテ・ド・パンタン」です。そこに広大な土地があり,有名なパリ音楽院(正式にはもうちょっとややこしい名称)やいろいろなホールが散在しています。
 さんざんホールを探して(あとから考えれば,いちばん近いところでした),やっと着いたら,「今日のコンサートはキャンセルされました」やって(T.T)。
 がっくりとして帰ってきても食欲がわきません。ホテルの近所を歩いて驚いたのは,まるで日本食堂街のようになっていることです。四つ角のうち3軒が日本食堂(ラーメン屋2軒と居酒屋),あと1か所は韓国料理店。なんだか結局元気が出ず,昨日買ったチーズとサラミとチョコレートとワインで,ごまかすことにしました。
 こんなことってあるのやねえ。メールをチェックしたらそれらしきものが来てました。フランス語のメールなんて知っている人名しかわかりません。トホホ……。

おすすめのYouTube

 本当だったら聴けたはずの曲をYouTubeで。まずフランスの現代作曲家メシアンの「アセンシオン」は「messiaen l’ascension」と入力して検索してください。有名な指揮者の演奏がなさそうですが「Messiaen: L’Ascension・hr-Sinfonieorchester・Hugh Wolff」というのがよさそうです。原曲のオルガンの演奏もあります。  ブルックナーの交響曲第9番は「bruckner symphony 9」で検索。バースタインの顔が見えたりしますが,おすすめはぼくの好きな指揮者スタニスラフ・スクロヴァチェフスキーが振っているフランクフルトのヘッセン放送交響楽団が演奏する「Bruckner:9.Sinfonie・hr-Sinfonieorchester・Stanisław Skrowaczewski」にしましょう。
※紹介したYouTubeが削除されていることがあります。

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